2011年5月16日月曜日

ペットボトルのキャップ

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● google画像から



 東日本大震災でペットボトルのフタが問題になっていたとは知らなかった。
 今日の朝鮮日報を読んではじめて知った。


東日本巨大地震:日本で自省の声高まる

ペットボトルのふたが200種類、規格合わずミネラルウォーター増産できず

 「今まで、原発問題、そして政治に本当に無関心でした。
 その結果が、このような事故につながったこと、子供達に本当に申し訳なく思っています」(原文通り)

 日本のあるネットユーザーは8日「私も反省しています」というタイトルのブログにこう書いた。

 東日本巨大地震と福島原子力発電所の事故が起きてから2カ月。
 「安全と科学技術の日本」という神話は崩れ、日本人は自ら日本社会や文化全般に対し反省の声を上げている。

■規格統一せず、ペットボトルのふたは200種類

 日本人は「科学技術や製造業で世界一」としていた日本式システムの実態に衝撃を受けている。
 大地震と津波の後、被災地だけでなく東京をはじめ全国でミネラルウォーターの品薄状態が続いている。
 日本政府は当初、地震の被害がない大阪・名古屋などの西日本でミネラルウォーターの生産を大幅に増やせば問題はすぐに解決できるものと考えていた
 ところが想定外の「壁」にぶつかった。
 ペットボトルのふたは大きさもデザインもまちまちで200種類以上もあるため、増産に限界があったのだ。
 規格統一をないがしろにした結果だった。

 海外からの輸入も容易ではなかった。
 ミネラルウォーターの品質検査基準が海外と異なり、輸入手続きに時間がかかるためだ。

■専門家任せ「丸投げ文化」

 職人に代表される日本の専門家文化も問題だという声が上がっている。
 一般の人々と意思の疎通がなく、
 専門家任せの「職人文化」
がかえって大きな危機を招いたというのだ。

 過去20年間にわたり日本の原子力発電所を取材してきたというあるジャーナリストは、共同通信社系のニュース専門サイト「47ニュース」で
 「過去にも原発ではかなり多くの問題が発生したが、そのたびに原発担当者と政府は『専門家に任せればいい』と言ってきた。
 当時、私を含めた取材記者は、十分な知識がないという理由で深く追及できず『専門家に任せる』ことに同調した」
と書いた。

 全国民が募金運動を繰り広げて集めた義援金約1700億円も、被災者たちに渡されていない。
 専門家集団である各種委員会で分配方法をめぐり議論が長引き、ほとんど支給されていないからだ。

■「迷惑掛けたくない」と公益無視

 他人に迷惑を掛けることを嫌う文化も、危機対処能力を低下させているとの指摘がある。
 流通経済大学の原田英生教授は
 「米国は竜巻のような災害が起きると居住を禁止するなど、個人の権利まで制限する。
 しかし、日本は個人に対し配慮しすぎる文化があり、そのために安全・防災を優先する考え方が不足している」
と述べた。

 日本経済新聞は先日
 「危機からの再出発:新しい日本へ」
という連載記事で
 「日本は個人の権利だけを重要視し、『公共の利益』を語らないため、望ましい改革が遅れている」
と指摘した。

■「災害発生時に権力集中を」との主張も

 日本の政治体制の限界を克服するため、政治制度を改革しようという声も上がっている。
 橋下徹大阪府知事は
 「現在の政治システムでは、誰が首相になってもきちんとした復旧作業はできない」
として、一種の大統領制とも言える首相公選制(日本国民が直接首相を選出する制度)の導入を主張した。

 改憲論も出ている。
 読売新聞は
 「災害発生時に首相が全権を行使できるよう改憲が必要だ」
と主張した。
 しかし、日本の政界はまだ災害復旧よりも政争に没頭している。
 野党はもちろん、与党非主流派の議員たちも
 「菅直人首相が辞任しなければ災害復旧に協力しない」
という考えだ。
 このため、官僚主義に戻るべきとの声もある。

 姜尚中(カン・サンジュン)東京大学教授は
 「民主党政権が政治主導を掲げたことから、官僚たちは消極的になっている。
 原発事故を早期に収拾できなければ、日本は再び以前のような官僚主義国家に戻る可能性もある」
と話している。


 物好きで検索してみた。
 ちゃんと出てきた。


エキサイトニュース 2011年5月6日 10時00分
http://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20110506/Itmedia_makoto_20110506004.html

ペットボトルのキャップ共通化に見るサプライチェーンの行方

 東日本大震災ならびにその後の福島第一原発事故により、PETボトル入りのミネラルウオーターの需要が急激に増加し、PETボトル用キャップの供給が不足し、ミネラルウオーター供給のボトルネックとなっていることを受け、社団法人全国清涼飲料工業会は、PETボトル用キャップの白無地キャップへの統一を決めた。

 これは簡単なことに見えるが、飲料メーカーにとってもキャップサプライヤにとっても難しい判断であっただろう。
 キャップの機能というと、「中身の飲料の品質を保つため」くらいに考えている消費者も多いかもしれない。
 しかし、飲料メーカーから見た時には、それのみならず、商品がどういったものかやブランドとして認知してもらうための情報伝達や販促の機能を持っている。

 「キャップは中身が傷まない、こぼれなければ良い」
と考えている先の消費者であっても、実際には、キャップの色やデザイン、シンボルマークに自分が気付かぬうちに影響されて商品を買っていることもある。
 だから、飲料メーカーは、ボトル本体でなく、キャップにもこだわりを持って商品を企画している。
 色やシンボルマークを付けられない白無地キャップとなると、これまでのキャップの機能を落とすことになる。

 今回の共通化のきっかけは主要キャップメーカー3社より、自らの工場被災もあり、需要の急増に対応できないとの申し出があったことである。
 サプライヤからすると、白無地がペットボトルのキャップの標準規格となってしまえば差別化の余地が減らされ、価格競争しかなくなってしまう。
 だからこそ、飲料メーカーもサプライヤもさまざまなキャップのサイズやデザイン、色を考え、提案し、日本のペットボトルのキャップだけで200~300種類とあるといわれるだけの数になっているのであり、今回のキャップ共通化の期間が被災キャップ工場が復旧し、供給が整うまでと予定されているのである。

 仕様の標準化、簡素化。
 調達・購買担当者としては、本来こうした動きは平常時にこちらから仕掛けなけれなければならないものだ。
 しかし、売り上げへの影響を恐れて誰もなかなか手をつけられない。
 今回の震災対応でその壁を1つ越えたわけだ。

●仕様を標準化した時のデータは得られた

 被災キャップ工場の復旧後、元の仕様に戻すのか、白無地のキャップを採用するかは各社の戦略に委ねられるが、少なくとも、仕様を標準化、簡素化すると売り上げにどのような影響が出るかというある程度のデータは得られているだろう。…

 競合他社も白無地のキャップを採用しているので、実際の競争下のものではないが、仕様の標準化、簡素化の是非について検討する上で、やってみなければ分からないという感覚的なものを1つ超えた議論ができるようになっている。
 仕様の標準化、簡素化のコスト削減メリットは明らかだ。
 加えて、今回の震災を踏まえて、仕様の標準化、簡素化は事故や災害に負けない柔軟なサプライチェーン作りにも役立つことが明らかとなった。

 一方、いくら供給リスクが減るからといって、サプライヤやイノベーションへの影響を考えると、今回のような非常時の対応を除き、法制や規格でペットボトルのキャップの統一を図るべきものではない。
 規格であれば、まったく違う競争を持ち込むことで回避するという抜け道がないわけではないが、そうなれば、サプライヤ間に過度の競争を強いることになり、体力のあるところしか生き残れなくなってしまう。
 そうした市場ではサプライヤの寡占が進んでしまい、イノベーションは減り、中長期的にはコスト高となってしまう。

 いずれにせよ、中小企業では、今回の震災ならびにその後の生産の落ち込みに耐え切れずに廃業に至るところも出ており、その流れはこれからさらに増え、サプライヤの集約が進むものと見込まれる。

 ペットボトルのキャップの共通化、サプライチェーンが、被災工場の復旧後、どうなるかは買い手企業各社の動向もあり、まだ分からない。
 また、サプライチェーンの進む方向は商品ごとに異なるが、少なくとも、これまでの延長線ではいかないだろう。

 今、言えることは、そうしたサプライヤや競合他社の動きによる中長期的なサプライ市場の動向と、自社のサプライチェーン戦略の方向を見極め、適したサプライチェーンを築かなければらないことが各社の調達・購買部門に共通したこれからの課題ということだ。


 今回の大災害は、日本のいろいろは問題を浮き彫りにしてくれたようです。
 欠点が分かったら、それを是正していけばいいことです。




 <future design> 



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