2011年5月20日金曜日

3D半導体:半世紀ぶりの革命

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● Tri-Gate技術の概要(図:Intel社)




 「3D」といえばテレビのことだと思っていたら、ICも3D時代に入ってきていた。
 「半世紀ぶりの半導体革命」と言われているようで、相当にハードルの高い技術のようである。
 現在の半導体は「プレーナ型」つまり平面型であるが、それが50年ぶりに立体化されるという。


RBB TODAY 2011年5月5日(木) 11時23分
http://www.rbbtoday.com/article/2011/05/05/76683.html

米Intel、3次元トランジスタ技術の量産を年内に開始……22nmの「Ivy Bridge」に採用

 米インテル(Intel)は4日(現地時間)世界初の
 3次元トランジスタ「Tri-Gate」(トライゲート)
を開発し、2011年末に生産を開始すると発表した。
 22nmプロセスの「Ivy Bridge」プロセッサに採用されることが決まっている。

 3次元トランジスタについては、同社の研究者により2002年に発表されたが、この度「Ivy Bridge」に採用され量産化されることになる。

 同技術は、3次元構造のシリコンフィンによりトランジスタの集積度を高めている。
 また電流を従来の上側だけでなく両側面から制御することにより、より電圧が低く、電流を漏れにくくし、性能の向上や省電力化を図った。

 22nmプロセスの3次元トランジスタは、2次元トランジスタと比べ、性能が37%向上したという。
 また同性能の32nmプロセスのプロセッサと比べ 消費電力が半分以下となった。
 ウェハの製造コストも、2~3%のコスト増に抑えられたという。

 同社は3次元トランジスタのポイントとして、トランジスタの集積度は2年ごとに倍増すると提唱したムーアの法則が、引き続き有効になったことだとしている。
 将来的には、フィンをより高くしていくことで、さらなる性能の向上や省電力化が可能になるとしている。




日経新聞 2011/5/6 23:00
http://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C93819499E2E4E2E29C8DE2E4E2E7E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;da=96958A88889DE2E4E1E2E5E0E6E2E0E7E2E6E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2

 米Intel社は、同社が開発した「Tri-Gate」と呼ぶ3次元(3D)トランジスタ技術22nm(ナノメートル)世代から量産に適用すると発表した。
 同技術の採用で、現行のトランジスタ技術より性能が高く、かつ低消費電力のマイクロプロセサ製品を実現できると同社は主張する。
 「3Dトランジスタ技術への移行により、ムーアの法則をさらに延長できる」(Intel社 Senior Vice President兼Technology and Manufacturing GroupのBill Holt氏)。

 Tri-Gateを最初に採用するのは、開発コード名「Sandy Bridge」のマイクロアーキテクチャに基づいた「Ivy Bridge(開発コード名)」と呼ぶマイクロプロセサ製品である。
 報道機関向けのイベントで、このIvy Bridgeの試作品を搭載したノート・パソコンやデスクトップ・パソコン、サーバー機の動作を実演した。
 同社Executive Vice President兼Intel Architecture Group、General ManagerのDavid Perlmutter氏によると、Ivy Bridgeの初期製品はサーバー機向けのマイクロプロセサになるという。
 続いてデスクトップやノート・パソコン向けのマイクロプロセサ製品に適用する予定で、「その後はAtomのSoC製品にも利用する」(Perlmutter氏)。
 Intel社によると、Ivy Bridgeの量産準備は2011年末までに整えるという。

■電流チャネルを3つに

 Intel社は、2002年に3Dトランジスタ技術の研究成果を公開している。
 Tri-Gateのトランジスタ技術では、基本的に半導体の基板上にSi(シリコン)で製造する「ヒレ」状の形をした素子(フィン)を設ける。
 このフィンをトランジスタのゲート電極の材料によって取り囲む。
 これにより、ゲートとフィンの間の電流チャネルを3つ(フィンの両側面と上面)設けることができる。

 従来のプレーナ型電流チャネルを採用したトランジスタではチャネルが1つだけで、3つある今回のTri-Gateトランジスタの方が電流のオン・オフの制御性を高められるという。
 漏れ電流も少なくなり、この結果
 「アクティブの状態だけでなくスリープ状態でも消費電力を低減できる」(同社 Intel Senior FellowのMark Bohr氏)
とする。
 32nm世代に利用するプレーナ型トランジスタに比べると、Tri-Gateトランジスタの消費電力は半分以下に削減できると Bohr氏は主張する。
 ただし、Tri-Gateトランジスタ技術の利用により、半導体ウエハーの加工コストは2~3%上昇するという。

 他社も、3Dトランジスタ技術の開発を進めている。
 これに対してIntel社は、
 「公開されている情報によると、他社は14nm世代に導入する予定のようだ。
 我々は少なくとも3年間、先行することになる」(Bohr氏)。
 Intel社は22nm世代に続いて14nm世代にもTri-Gate を適用するが、同社によると、22nm世代でプレーナ型トランジスタ技術を利用する予定はない。
 「もうプレーナ型トランジスタとはグッド・バイだ」(Bohr氏)。

(日経BPシリコンバレー支局 Phil Keys)




CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/service/35002665/

インテル、新「Atom」チップアーキテクチャを開発中か--情報筋

 大手チップメーカーIntelは、先週発表した3Dトランジスタを上回る新しい「Atom」チップアーキテクチャの開発に着手しており、同社最大の電力効率を誇るチップ設計の開発を加速化させている。

 このAtomベースの新しい「マイクロアーキテクチャ」(開発コード名「Silvermont」)は2013年出荷予定で、新しい3Dトランジスタ構造を基盤とした革新的なアーキテクチャとなると、Intelの計画に詳しい複数の業界情報筋が米CNETに伝えた。

 Silvermontは、3Dトランジスタと組み合わせることによって、さらに高い集積度と性能を実現し、電力効率を大幅に向上すると期待されている。

 今後リリースされるすべてのAtomプロセッサと同様に、SilvermontはSystem-on-a-Chip(SoC)設計となる予定だ。
 SoC では、コアチップの大部分が単一のシリコン、つまり単一のチップパッケージに集積される。
 スマートフォンやタブレットで使用されるプロセッサはすべて SoCである。
 例えば、Intelの次期「Z760」プロセッサもSoCとなっている。

 前出の情報筋らによると、現在Atomの開発は急ピッチで進められているという。
 Intelは、一般的に
 チップ上に集積可能なトランジスタ数は約2年ごとに2倍になるとするムーアの法則

を上回るペースで、Atomプロセッサの開発を加速化させる予定である。
 現在出荷されているAtom SoCは、45nmプロセス技術で製造されているが、2011年中に32nmでの量産体制に移行し、2013年には、新しいアーキテクチャを採用した Silvermont SoCが出荷される予定である。
 つまり、情報筋らによると、3年以内に3世代のプロセス技術と1つの新しいアーキテクチャが使用されることになるという。

 詳細はまだ明らかになっていないが、情報筋らによると、
 Silvermontアーキテクチャは、特に22nm技術と3Dトランジスタを利用する
ことを目的として設計されるという。

 Intelは来週のアナリスト会議でAtom SoC計画の詳細を明らかにするとされている。



 半導体は「血闘」に入ったそうである。
 強いやつが勝つだけで誰でもいいが、やはり気を引くのが「3D」という用語。
 技術的にどうなのか、という興味。
 でもまだニュースはそこまでいっていない。


朝鮮日報 : 2011/05/15 12:17:35
http://www.chosunonline.com/news/20110515000023

半導体:業界に広がるサムスンけん制の動き

 世界の半導体メーカーが「血闘」に入った。
 インテル、エルピーダメモリ、東芝など主要メーカーが最近、一斉に新技術と新製品の量産計画を発表したからだ。

 スマートフォン(多機能携帯電話端末)のiPhone、タブレット型パソコン (タッチパネル式の表示・入力部を持つ携帯可能なパソコン)のiPadの販売が急増しているアップルも部品の調達価格を引き下げるため、半導体メーカーの競争を促している。
 特に各社はこれまで半導体業界で躍進を繰り返してきたサムスン電子をけん制するため、力を合わせようとしており、サムスンは緊張を隠せない。



■打倒サムスン

 2000年代初めまで、サムスン電子はメモリー半導体でこそ大手だったが、他の事業領域では存在感が薄かった。
 しかし、最近はスマートフォン、タブレット型パソコンのブームに乗り、事業領域をモバイルCPU(中央演算処理装置)などに広げ、世界首位のインテルのシェアとは5ポイント前後の差しかなくなった。

 このため、競合メーカーは一斉に「サムスンけん制」に乗り出した。その先鋒(せんぽう)は世界首位の半導体メーカー、インテルだ。
 パソコン向けのCPUなど非メモリー半導体を主に生産してきたインテルは、サムスン電子が主力とするメモリー半導体分野に参入した。

 インテルは米メモリー半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーと手を結んだ。
 両社は最近、回路線幅20ナノ(10億分の1)メートルのNAND 型フラッシュメモリーを開発したと発表した。
 回路線幅が小さくなるほど、小さな空間に多くのデータを記憶することができ、半導体メーカーは製造プロセスの微細化にしのぎを削っている。

 NAND型フラッシュメモリーは、携帯電話端末、ゲーム機、デジタルカメラなど携帯用電子製品のメモリーとして主に使われる。
 この分野で首位のサムスン電子は現在、27ナノメートルの製品を生産している。
 インテルは今年末から米国、シンガポールの工場で20ナノメートルの製品を量産し、サムスンをリードしたい構えだ。

 日本の東芝も米サンディスクと提携し、19ナノメートルのNAND型フラッシュメモリーを開発し、今年下半期から量産化すると発表している。
 日本のエルピーダメモリも世界初の25ナノメートル技術によるDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)を開発し、7月から量産に入ることを明らかにした。
 サムスンは現在、30ナノメートル技術でDRAMを生産しており、25ナノメートルの製品の量産は年末になる見通しだ。

 インテルは超微細プロセスだけでなく、半導体の製造技術の画期的な変化をもくろんでいる。
 代表的な新技術が今月4日に発表された三次元(3D)半導体技術だ。
 3D半導体は平面上で設計されてきたこれまでの半導体よりも電力消費量が半分で済み、性能は38%向上するという。

 サムスン電子から最も半導体を調達するアップルも、サムスンをけん制している。
 電子業界によると、最近アップルとサムスン電子半導体事業部による部品単価交渉が遅れている。
 業界関係者は
 「両社は5月初めには春の交渉を終えるものだが、(今年は)まだ交渉が始まったという話も聞かない」
と話した。
 アップルがサムスン電子への依存度が高まることを懸念し、サムスンとの交渉に慎重を期しているためだ。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなど海外メディアは最近、アップルがサムスンに代わり、インテルや台湾積体電路製造(TSMC)から携帯電話用のCPUを調達する方向で交渉中と相次いで報じた。
 同関係者は
 「普通は携帯電話用のCPU開発には1-2年かかるため、アップルがすぐに調達先を変えることはできない」
としながらも
 「単価交渉力を高めるため、他のメーカーと接触した可能性は高い」
と指摘した。

 米市場調査会社アイサプライによると、アップルは今年162億ドル(約1兆3000億円)相当の半導体を調達し、サムスン電子、デルを抜き、世界 2位の半導体調達企業に浮上する見通しだ。
 来年にはヒューレット・パッカード(HP)を抜き、首位に立つことがほぼ確実視されている。

 しかし、アップルは携帯電話用CPU、メモリー半導体など重要部品をほぼサムスンに依存している。
 サムスン電子は今年、タブレット型パソコン「iPad2」向けだけで16億ドル(約1280億円)の売り上げを見込む。
 部品の調達先を多角化するほど利益になるアップルとしては、半導体業界他社によるサムスンけん制が不都合なはずはない。

 専門家は現在、サムスンの半導体技術が不良率や量産時期などの面でリードしているが、警戒を怠ってはならないと警告する。
 半導体業界関係者は「米シリコンバレーでサムスン電子の技術者300人がアップルと共同開発を行うほど半導体開発が複雑なことは事実だが、アップルはいつでも調達先を変更し得る」と指摘した。

 アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は2005年、アップルのパソコンにそれまでのIBMやモトローラのCPUに代わり、インテルのCPUを採用し、半導体業界を驚かせた。

 キウム証券のアナリスト、キム・ソンイン氏は
 「台湾のDRAMメーカーをはじめ、サムスンのライバル企業は第1四半期に赤字を出しており、競争力が低下している。
 アップルにとっては交渉力を高める手段が欲しいところだ」
と述べた。







2011年05月19日15時51分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/069/140069.html?servcode=100&sectcode=120

 韓国は半導体で生きている国だ。
 貿易黒字の半分を半導体が占める。
 4日、米インテルが3次元(3D)半導体を出し、「年内に量産に入る」と発表した。
 インテルは世界最高の半導体企業だ。
 当然ニューヨークタイムズなど米メディアは
 「半導体50年史上最大の革命的変化」
と大騒ぎしている。
  一方、韓国は静かなものだ。
  国内メディアはインテルの発表資料を味気なく扱った。
  汝矣島(ヨウィド)の半導体アナリストも
 「市場に出てから見るべきだ」
と慎重な立場だ。
 三星(サムスン)電子の崔志成(チェ・ジソン)代表は
 「そんなに心配しなくてもよい」
と述べた。

 半導体専門家の意見は分かれる。 複数のソウル大電子工学科の教授は
 「見守る必要がある」
と保守的な診断をした。
 3D半導体は10年前から研究され始め、いつかは3Dに移ると予想されてきた。
 誰がいつ3Dに移るかという問題だったという。
  ソウル大の教授らは
 「複雑で高価な工程が必要となるため、先に3Dに移ったからと言って必ずしも良いことではない」
と口をそろえた。
 「韓国半導体業界が従来の技術で競争力と収益性を維持できるなら、それが最上策」
という見解も出した。

 KAIST(韓国科学技術院)電子工学科のチェ・ヤンギュ教授は全く違う立場だ。
 実際、3D半導体の主人公は韓国人だ。
 1998年の米UCバークレー博士課程当時、3D半導体を世界で初めて作った人物がチェ教授だ。
 チェ教授は電話で
 「ついに来るべき時が来た」
という反応を見せた。
 チェ教授は
 「半導体の未来のために3Dは避けられない進化の方向」
とし
 「集積度を高め、回路線幅を20ナノ以下に狭めるには他の代案がない」
と強調した。

--3D半導体を作るには複雑で高価な設備が必要なのか。

 「誤解だ。 従来の設備を補完すれば十分に作ることができる」

--処理速度が速く、「データがもつれる現象」を防げるというが。

 「速度は少し速く、データがもつれにくいのは事実だ。
 しかし最大の強みは待機電力(stand-by power)を最高100分の1に減らせるという点だ」

 インテルが3D半導体を携帯電話用アプリケーションプロセッサ(AP)に集中しようとする理由もここにある。
 コンピューター中央処理処置(CPU)最強のインテルは電力の消耗が大きく、モバイル市場では力を発揮できない。
 超節電型3D半導体を前面に出して三星電子と英国のARMが掌握したAP市場に逆襲をかけるということだ。
  問題は争いがAP市場だけにとどまらないという点だ。

 数多くの長所を持つ3D半導体が新しく登場しただけに、APはもちろんDRAMとフラッシュ、CPU市場まで
 全面的な半導体大戦
に広がることが確実視される。

 三星電子も黙って見ている会社ではない。
 メディアに露出していないだけで、3D半導体の研究を続けてきた。
 三星電子の実力は専門家の間ではよく知られている。
 三星は4年前から国際超高速集積回路学会誌に論文を発表してきた。
 数多くの3D半導体試作品を作り、収率まで測定した事実も公開された。
 三星電子が
 「私たちもこの部門で多くの研究成果を蓄積してきた」
と自信を持つ背景だ。

 三星電子の「トップ維持費用」は次第に増えている。
 いまやスピード経営に加えて、方向まで正確に読み取らなければ未来は保障されない。
 アップルは自主的に携帯電話用半導体人材を確保し、三星と距離を置き始めた。
 ここにインテルが3D半導体で挑戦状を投じた。
 手強い世界最強の企業らだ。




 <future design> 



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